人気サイト様 最新記事

博士ちゃんねる ヘッドライン

レスの強調ウゼェー!というドクターへ

レス内の強調表示をOFFにする コチラをクリックして切り替えてください。設定は30日間Cookieに保存されます。
現在のステータス:強調有効

そうだ!美術館へ行こう!第17回『ベルリン美術館』 @ [美術系独自まとめ]


そうだ!美術館へ行こう!第17回『ベルリン美術館』 @ [美術系独自まとめ]
管理人@博士ちゃんねる
Wagner : The Ride of the Valkyries - Copenhagen Ring ドイツと言うとなぜか真っ先にこの曲が思い浮かぶ管理人。ワーグナーの楽劇「ワルキューレ」第3幕序奏、通称「ワルキューレの騎行」より。
本来は8人のワルキューレたちが豪快にバトルクライしながら登場するシーンなのですが、歌なし版の方がなぜか広く流布してますよね。歌がないと途中の演奏の盛り下がり感の意味がわからんというか、あれは歌が入るので音が小さくなってます。

「ワルキューレ」というのは北欧神話に出てくる戦女神たちで、戦場で勇敢に戦って力尽きた戦士たちの魂を、ヴァルハラという天上の館へと誘う役目を担っています。
戦士たちは来る神々の最終戦争「ラグナロク」の時に召喚されるまで、この館で飲めや歌えの大騒ぎをして英気を養う…というのが、北欧神話の特徴的なところと言えるでしょうか。滅びが確定的なんですね。

というわけで、世界の美術館シリーズ第17回は、ドイツの「ベルリン美術館」より!
よく考えたら、このシリーズではオーストリアには2回行ってますが、ドイツは初ですね。ナンテコッタ。まぁ昔はドイツ=オーストリアだから、もうええやろということで、スタート!
繊細で内省的な北欧芸術をお楽しみください。
観光案内
シュプレー川博物館島
主に、ベルリン市内を流れるシュプレー川の大きな中州「博物館島(Museumsinsel/ムゼウムスインゼル)」の中に複数ある美術館・博物館群を総称して「ベルリン美術館」と呼んでいます。
この島内に、「ボーデ博物館」「ペルガモン博物館」「旧博物館」「新博物館」「旧国立美術館」などがあり、そこから、やや西南西の方向にちょっと離れて「絵画館」「新国立美術館」などベルリン市内に点在しております。
現地へと鑑賞に行く際には、お目当ての作品がどこにあるのかよーくご確認の上、効率よく回っていただきたいと思います。ドイツ語がよくわからん問題もありますが、今どきインターネットで一発ですから、各自で解決ですよぉ。

ベルリン大聖堂
このシュプレー川沿いは歴史的な建物や美術館博物館が多くて、例えばこの中洲内にあるネオ・バロック様式の「ベルリン大聖堂」、

ブランデンブルク門
ちょっと西方向にある新古典主義様式の「ブランデンブルク門」、

シャルロッテンブルク宮殿
さらに西方向にある繊細優美なロココ調の「シャルロッテンブルク宮殿」などなど、それぞれ建築スタイルが違いますので、見ごたえがあるのではないかと思います。ヨーロッパの街並みはキレイですしね。

Googleマップではこのあたり。
外観と歴史
旧博物館
1830年にプロイセン王家の歴代コレクションを所蔵して「旧博物館」ができたのが始まりです。
大半が博物館で占められていて、古代から現代までの美術品が18の部門に別れて展示されていますが、絵画があるのは主に「旧国立美術館」「新国立美術館」「絵画館」の3つ。

ボーデ博物館
中洲の「博物館島」は世界遺産に登録されています。
内装
「旧国立美術館」正面階段
「ペルガモン博物館」にある「イシュタールの門」
一部ですけど、こんな感じ。基本パルテノン神殿調です。
主な所蔵作品
というわけで、数が多すぎてまったく網羅できませんが、主に有名な15~19世紀の絵画作品をやって、せっかくですから古代の遺物もちょっと取り上げます。
死の島
死の島
アルノルト・ベックリンスイスの画家ベックリンは、同タイトル同テーマで計5点の作品を残していますが、これは1883年制作3枚目の作品です。こちらと86年制作の5枚目の作品は非常に似ていますが、有名なのはこの83年の方ではないでしょうか。
死の島
ついでに、かつて「バーゼル美術館」の時に取り上げた80年制作の「死の島」を比較として。
ポンディコニッシ島
ギリシャ近辺イオニア海に浮かぶ小島の「ポンディコニッシ島」は糸杉の小さな林の中に礼拝堂があり、これがモデルではないかと言われています。
真珠の首飾りの女
真珠の首飾りの女
ヨハネス・フェルメール淡い光の中に、鮮やかな黄色の衣装が非常に美しいフェルメールの代表作のひとつ。白テンの毛皮があしらわれたサテンの衣装は当時最高級のファッションでして、そして大粒の真珠を身に着け、身繕いをしながらウットリな女性…というのは当時のオランダの画家が好んだテーマでもあります。
若い女の肖像
若い女の肖像
ペトルス・クリストゥス油彩技法を完成させたファン・エイク兄弟に続くフランドル派の画家クリストゥス。その代表作のひとつです。コチラ側をみつめる冷ややかな表情、それでいながらどこか官能性を感じさせる作品ですが、女性のモデルは薔薇戦争で活躍したシュルーズベリー伯爵の孫娘アンだという説も。
ネーデルラントの諺
ネーデルラントの諺
ピーテル・ブリューゲル管理人の大好きな大ブリューゲルの寓意に富んだ作品。個性のない表情の民衆が多数描かれており、これが主体というのがありませんが、ネーデルラントの画家たちの間では一般的な手法でした。当時はことわざが教養の一環だったということもあり、この作品にはことわざの寓意が100以上も込められています。以下に一部解説。
ネーデルラントの諺(部分)
まずは画面中央やや下の青いマントをかぶせる、というのは「ことわざの絵ですよ」という意味があります。
ネーデルラントの諺(部分)
画面右やや下の、キリストに扮した人物にヒゲをつけてますが、これは「欺瞞的行為」を意味します。
ネーデルラントの諺(部分)
画面中央やや上、牛からロバに飛び移る人物が意味するのは、「贅沢から貧窮への転落」を意味しています。
ネーデルラントの諺(部分)
画面左端、窓から身を乗り出してウンコしてるオッサン、これは「不遜な行為」を、逆さまの地球儀は「価値観の逆転」をそれぞれ意味しています。
ネーデルラントの諺(部分)
画面中央やや右の、1本の骨を取り合う2匹の犬は、「地位や財産をめぐる争い」の意味。
ネーデルラントの諺(部分)
画面右、なんかを引っ張ってるのは、「誰もが自分だけの利益を求める」という意味。
ネーデルラントの諺(部分)
画面中央やや上の、大きな魚が小さな魚を食べる、というのはブリューゲルは好んだらしく、他にも銅版画が残ってますね。「弱肉強食」というような意味です。
大きな魚は小さな魚を食う
ま、ついでに。この作品は子供のころにナマで見たことがあるのですが、あまりにもキョーレツでこの前からずーっと動かなかったです。こういうゴチャゴチャしたのが好きなんですよね。
エジプトへの逃避途上の休息
エジプトへの逃避途上の休息
ルーカス・クラナッハ写真がイマイチが良くないですが、ドナウ派と呼ばれた一派の大クラナッハ32歳のころに描かれた華麗な作品。この同年、クラナッハはザクセン選帝侯フリードリヒ賢明公の宮廷画家となります。旧約聖書に出てくる、ヘロデ王の幼児殺害令を避けるためにエジプトを出るヨセフとマリア&幼いキリストのエピソード。
聖母子と小さな洗礼者聖ヨハネ
聖母子と小さな洗礼者聖ヨハネ
ラファエロ・サンティなにしろ聖母子像ばっかり描いてて、毎回当該作品の画像を探すのがめちゃ大変なラファエロ先生。レオナルド・ダ・ヴィンチに強く影響を受けた陰影で描かれており、非常にシックな感じになっています。トスカナのテラヌオーヴォ公爵が所有していたため「テラヌオーヴォの聖母」とも呼ばれます。
商人ゲオルク・ギーゼ
商人ゲオルク・ギーゼ
ハンス・ホルバインスイスのバーゼル出身の小ホルバインですが、当地に吹き荒れた宗教改革により宗教画が全否定されてしまい注文が激減、新天地を求めてイギリスへと渡り肖像画家として名を馳せることに。緻密に書き込まれた小物が、彼のデッサン力の高さを如実に示していますね。美しい作品です。
ヒエロニムス・ホルツシューアー
ヒエロニムス・ホルツシューアー
アルブレヒト・デューラー小ホルバインと同様に、宗教改革で仕事が減ってしまったデューラー先生も、やはり晩年はよく肖像を描きました。このホルツシューアーというオッサンはただのニュルンベルクの市長なんですが、デューラー先生の手にかかると途端に凄まじい威厳と神々しさにあふれてしまい、ちょっとやりすぎじゃない?って思うw
ヴィーナスとキューピッド
ヴィーナスとキューピッド
ルーカス・クラナッハ大きい画像がどーしても見つからず…。同様のテーマで多数の作品を残している大クラナッハなのですが、このひとの描くヴィーナスはほっそりしてて、柔らかな女性らしいポーズ、やや切れ長の目、と非常に特徴的です。
教会の聖母子
教会の聖母子
ヤン・ファン・エイクやはりこのひとの特徴というと緻密で丁寧な書き込みにあるので、できるだけキレイな画像を探したいんですが、なかなか…。豪奢な衣装に身を包んだ聖母マリアの優しい表情が好対照ですね。背景の教会のアーチが中心よりややみぎ右へと向かっており、見るものの視点をそちらに誘導する、当時大流行した遠近法を駆使して描かれています。
教会の聖母子(部分)
もうちょいマシなマリア様のアップ。部分だけど、かすかに微笑んでいるようなミステリアスな表情がステキ。
歌う天使と聖母子
歌う天使と聖母子
サンドロ・ボッティチェッリボッティチェッリの描く女性というのは、明るくてステキですね。聖母子を取り囲み所狭しと8人のイケメン天使たちが描かれていますが、全員がそれぞれ「無垢」の象徴であるユリを手にして、天上からは神様が王冠を授けようとしています。
若い婦人の肖像
若い婦人の肖像
アントニオ・デル・ポッライオーロフィレンツェで大工房を構えていたポッライオーロの代表作。このように横顔メインの肖像画や彫刻作品も残しています。衣服の赤の模様が緻密に書き込まれていて、鮮やかです。どこか遠くを見つめる表情がセクシーですね。
勝ち誇るアモール
勝ち誇るアモール
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ陰影がくっきりしてて特徴的な画風のカラヴァッジオ先生の描くアモール(クピド)。アモールというのはヴィーナスのいたずら好きの息子にあたります。鎧や楽器など足蹴にして、「愛は、科学・芸術・権力など、全てのものに勝る」という寓意が込められています。
青春の泉
青春の泉
ルーカス・クラナッハ大クラナッハの代表作のひとつ。世界のどこかにあると言われた浴びることで若さを取り戻すという「青春の泉」。左側からあらわれるしなびた老婆たちが、泉で水浴をすることで、ピッチピチのギャルに。若い男性たちと天幕にこもってナニしてるんでしょうね。想像をたくましくしていただきたい。
紳士とワインを飲む女
紳士とワインを飲む女
ヨハネス・フェルメール室内でお酒を飲む男女というのは、当時基準ではイコール「セックス」を暗示するので、官能的な主題として画家たちに好んで描かれました。左側のステンドグラスには「節制」が描かれており、官能に溺れることへの警告も一緒に盛り込んであるという、良心的なフェルメール先生なのです。
水浴のスザンナ
水浴のスザンナ
レンブラント・ファン・レイン旧約聖書に出てくるエピソードで、美女スザンナの水浴時に、それを好色な目で見ながら口説くふたちの老人たちを描いた作品。当初は近くにいる方の老人が後ろからスザンナを抱きすくめる扇情的な構図でしたが、衣服に手をかけるのみに後ほど書き直されました。まぁこれも裸婦を描くための口実ですね。
孤独な木
孤独な木
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ初期ロマン派の画家。「絵画は主観」との堅い信念があり、雲の挿絵を頼まれてもガンとして断ったんだとか。寂寞とした雰囲気の風景画が非常に多く、ドラマチックな構図が多いですね。孤独・悲愴・崇高といったような概念をキャンバスに込めることに、生涯を送った画家です。
ペルガモンの大祭壇/アテナ群像
ペルガモンの大祭壇/アテナ群像
絵画以外もいくつか。これは有名な「ペルガモンの大祭壇」という超巨大な彫刻作品の東フリーズにある「アテナ群像」と通称される翼のさらに一部。オリンポスの神々と巨人族の戦いを描いたもので、全体はものすごくでかいです。
ペルガモンの大祭壇
離れてみるとこんな感じ。ところどころ欠けてるけど保存状態はけっこう良くて、古代ギリシャ人彫刻家の気合いを感じさせる作品。
王妃ネフェルティティの胸像
王妃ネフェルティティの胸像
エジプト新王国の国王・アメンホテプ4世の王妃で、美女として有名なネフェルティティの胸像。アメンホテプ4世は、当時多神教的信仰から唯一神アテンの信仰へと切り替えた際に、「アテンに愛されるもの」という意味を持つ「イクナートン」に改名しています。王妃もまた熱心なアテン信奉者であったとか。また有名なツタンカーメン王の義母にあたる人物。
巨人の戦闘図のある赤像式クラテル
巨人の戦闘図のある赤像式クラテル
「クラテル(クラテール)」というのは、古代ギリシャのワインを貯めておく巨大なカメのことなんですが、密閉性があんまりないので水分が蒸発して濃くなってしまう。なので、水で薄めて飲むのが当時の習慣でした。饗宴ともなるとこのカメが中央にドデンと置かれて、主催者がお客の酔い具合を見て、希釈の割合を判断、泥酔者が出ないようにしてあげるのが礼儀。なかなか大変ですね。
管理人@博士ちゃんねる
夜のシュプレー川
というわけで、今回はこれでおしまい。
いつもどおり、ベルリン市街を流れる夜のシュプレー川を貼っておきます。奥の方に見えてるのはベルリン大聖堂ではなかろうかと思います。

それでは、グーテ・ナハト!(Gute Nacht!)

出張で長らくお休みしておりましたんで、ちょっと気合い入れて多めに画像を貼っておきました。やっぱりまとめるのに6時間くらいかかりますね、このシリーズ。

当サイトに、ドイツにお住まいの方とかおられるのかわかりませんが、この美術館はドイツの誇る巨大な美術館ですので、見て回るのはなかなか大変。
観光で行くときには、計画を立てて回ってくださいね。今回取り上げなかったけど、セザンヌ、マネなど、フランス印象派の作品もチラホラと良作があります。
1回くらい行ってみたいですけどねぇー!

「ベルリン」と言えば…
まぁ管理人はベルリンっていうと、ブロッケンJrくらいしか連想できませんが…。
9.15追記:当記事を「朝目新聞」さんでご紹介いただきました!
昔のパーマ器具がすごすぎる!まるで宇宙人。
ヨーロッパ美術の精華 (ベルリン美術館)

角川書店
売り上げランキング: 652,747

関連記事:

元スレ:----

人気サイト様 最新記事

博士ちゃんねる ヘッドライン

    • ※1 : ドクター・ノオ・ネーム
    • 2017.9.1 21:17
    ベルリンが陥落してもここの美術館は無事だったんですか?
    • ※2 :
    • 2017.9.1 21:53
    リヒターもキーファーもないツマンネ
    • ※3 : ドクター・ノオ・ネーム
    • 2017.9.2 0:35
    紹介するなら一度でもその場所に行ってから紹介記事を書いた方がいいんじゃないの?
    現在ベルガモンの祭壇は修理中だよ。あと、ここはいつも入り口が凄い行列だから、中を見て回る以前の問題だよ
  1. >ここの美術館は無事だったんですか?
    いやー無傷ではなかったでしょうね。画像探してて、すぐ近くにあるベルリン大聖堂がボコボコになった画像とかありましたよ。
    ---------------
    >一度でもその場所に行ってから紹介記事を書いた方がいいんじゃないの?
    取材費とかいただけるんでしたら、喜んで。
    • ※5 : ドクター・ノオ・ネーム
    • 2017.9.3 11:22
    美術館とか独自記事くれくれ勝手に所望してたけど、6時間もかかっちゃうのか。1日つぶれちゃってすみません
    今回はボリュームがあって大変満足でした。ありがとうございます
    • >※5
      いえいえ。独自記事はやっぱりまとめに比べて時間かかっちゃいますね。
      企画を思いつけば他にも投下したいものはチラホラありますので、気長にお待ち下さい~
    • ※7 : ドクター・ノオ・ネーム
    • 2017.9.3 15:34
    ドイツでやけに宗教画の数が少ないのってやっぱりプロテスタントの影響なんですかね
    ネーデルラントやフランドルで優れた絵画が制作されてた時期に東部では画家が筆を置いていたかと思うと何だか勿体ないです
    • ※8 : ドクター・ノオ・ネーム
    • 2017.9.3 18:04
    待ってました!

    ブリューゲルは今大阪で見れるので
    先月見に行きましたが
    一枚一枚眺めてる時間が長くて
    見終わる頃にはヘトヘトでした

    しかしブロッケンJrの技の名前は
    今見るとほんと危ないなw
  1. トラックバックはまだありません。


コメ欄での議論はおおいにけっこうですが、当サイトではドクター同士の罵り合いは禁止となっております。反論する際には、相手の意見・人格を尊重し、どうぞ冷静に。
*